演奏に困ったとき

3日間吹けなかったパッセージを15分で吹けるようにした超原始的譜読み法※譜読みが苦手な人だけみてください

 

P.グレイアムさんが作曲した「ハリソンの夢」という曲をみなさんはご存知でしょうか。

そんな曲知らないっていう人も、曲を知ってて名前きいただけでゲッソリしちゃう人も、とりあえずこちらをお聞きください。

 

 

大阪市音、いうまでもなくめっちゃうまい。

吹奏楽コンクールで時々演奏されるこの曲。

お聞きになってわかると思いますが、まぁ音符の多いこと多いこと!

クラリネットの楽譜なんて現代アートかなんかですか、ってくらい16分音符で真っ黒でした。木管楽器ってすごいもの吹いてますね。

 

今度吹奏楽コンクールで「ハリソンの夢」をやる(かもしれない)高校に行った時のこと、多くの人が楽譜を前に早くも戦意喪失(笑)していたのでちょっとばかし譜読みのお手伝い。

 

普段オーケストラで8分音符より短い音を吹かないトランペット奏者(要するに細かい音符を読み慣れていない僕)が高校で紹介した、

戦意を失わない、だれでもできる、確実に前に進める、効率的かつスーパー原始的な譜読みの仕方についてです。

 

譜読みの苦手な人の特徴

と、その前に譜読み(この場合の譜読みは「楽譜通りの音を並べられるようになる」という段階に行為をさします。)の苦手な人の特徴について触れておきます。

 

譜読みの苦手だと答える人の傾向として「どこで予期せぬことがおこったか自分でわかっていない」「どこが自分の苦手ポイントなのかわからない」というのが多くみられる気がします。

 

思っていたことと違うこと(一般的にミスと呼ばれるもの)がどこで起こったか自分で把握できていないと、何回やっても同じところでミスしてしまい、その箇所に漠然と「難しい・できない」というレッテルを貼ってしまうのです。

 

つまづきながらつっかえながらザーッとそのフレーズを吹いて「あー難しいなー」でその日の練習が終わってしまう、なんてことありませんか?

翌日同じところを練習して「あーやっぱ難しいなー」って思ったりしていませんか?

 

いつか自然にできるようになるのを待っていませんか?

 

 

それだとめっちゃ時間かかりますよね。

毎日練習していつの日かできるようになるのも時間があって根気があれば良いとは思いますが、今回この高校で試した方法は、できた体験を自分つかみ積み上げていく方法です。

成果がわかりやすく実感もあるので個人的には気に入っています。

その方法がこちら。

 

 

名付けて"一音足せたら大喜び作戦"

譜読みが苦手で困っているというクラリネットさんをレッスンモデルとして他の一年生みんなにレクチャー。

 

♭ミ♭レ♭シドレドレドシドレシシ(超速)

 

っていうのが冒頭にあるのですが、クラリネットさんは(うわー楽譜真っ黒だよ・・・難しいきなそう・・・)って感じでやる前からできないモード全開でした。

 

そんな彼女にぼくが提案した方法はこれです。

 

「最初の『♭ミ♭レシ』だけやってみて。せーの」

「♭ミ♭レシ」

 

 

 

イェーイ(※実際にやってます)

 

「やったじゃんできたじゃん!」

「じゃあ次は『♭ミ♭レ♭シド』まで。せーの」

「♭ミ♭レ♭シド」

 

 

 

イェーイ(※実際にやってます)

 

「じゃあ次は『♭ミ♭レ♭シドレ』。せーの」

「♭ミ♭レ♭シドレ」

 

 

 

 

イェーイ(※実際にやってます)

 

 

 

というふうに一音ずつ足していくなんとも原始的な方法です。そして一音足せたらイェーイです。

名付けて”一音足せたら大喜び作戦”。(ダサいとか言わない。)

 

 

一見時間が超かかりそうな方法ですが、このクラリネットさんは3日間できないできないと悩んでたところが15分でできるようになりました。

このクラリネットさんは上記の「譜読み苦手だと答える人の特徴」にズバリ当てはまっていて、できない個所を毎日毎日頑張って繰り返していたそうです。

 

 

なぜ”一音足せたら大喜び作戦”は有効なのか

この原始的な方法がなぜややこしい譜面を吹けるようにするために有効なのか説明します。

作戦名はアホですが説明はちゃんとしますよ。

 

 

有効ポイント①:連譜がつっかえる理由


そもそも連譜がつっかえる、指が回らない、音が並ばない、ということをもう少し詳しく説明すると、隣り合うある音とある音の切り替えが上手くいっていないということです。

 

その理由は状況により様々ですが、音が並ばないときは、その問題の個所の音の切り替えをうまくさせる必要があります。

 

”一音足せたら大喜び作戦”は文字通り一音ずつ足していくので隣り合う音同士の接続を意識的に練習することができます

 

♭ミ♭レ♭シ→♭ミ♭レ♭シド→→♭ミ♭レ♭シドレ→→♭ミ♭レ♭シドレド→・・・

 

という感じで自分の中に回路を作ってあげるイメージです。

この練習でやりづらいとこ、ウッってなってしまうところはまだ自分の中で回路が出来上がっていないので何回か繰り返し練習して回路を作ってあげましょう。

 

 

この練習では一歩ずつ進んでいくので、自分が苦手な個所がハッキリとわかります。

自分の苦手な個所がハッキリわかればそこを集中的に練習できるので、ザーッと通す練習を繰り返すより効率が良いのです。

 

 

 

有効ポイント②:成功体験を自分の手で積み上げることができる


この合間合間に入ってくるイェーイ、実はちゃんと意味のあるものなのです。

苦手な個所をできないできない言いながら練習すると、脳が「ここはとっても難しい。吹けない」と勘違いしてしまいます。苦手意識がついてしまうのです。

 

一音足すだけでも吹けるようになるための大きなの一歩です。

できたときはその成功体験をしっかりと実感しましょう。(正直言えばイェーイじゃなくてもいいです。「よし、良い感じ」と「っしゃぁ・・!」とかでもOKです。)

 

自分自身で掴み取った成果を実感することはとても大切なことです。

 

 

注意:これで吹けたとしてもそれで終わっちゃいけないよ

この練習はあくまで音符が並ばなくて困っているときの練習です。なので音楽的な練習とはあまり言えません。

ようやく音楽的な味付けができるようになった段階、ということを頭の片隅に置いておいていただけると嬉しいです。

 

 

 

まとめ:難しいからこそ、一歩ずつ。

「ハリソンの夢」は確かに難しい。よくこんなん吹けるなぁって思います。本当にすごい。

 

でもこういう難しくてかっこいい曲はついつい雰囲気で吹こうとしちゃいがちになっってしまいますので、一歩一歩着実に進んでいく方法をおススメしたいのです。

 

そしてこの方法はやらなくちゃいけないものではなくて、ツールの一つとして知っておいてくださるとうれしいです。

できないできないってときに「あ、そういえばこんな方法あったな」くらいで大丈夫です。

 

普段細かくてややこしい音符を吹く機会の少ない金管奏者がやる譜読み法でしたが、「こんな方法をやってるよ!」「こんなふうにやったら譜読みがやりやすかったよ!」っていうのを知っていたら、手数は多いほうがいいのでぜひ教えてください。

ご連絡待ってますー。

 

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