演奏に困ったとき 練習法が知りたいとき

アーバンに載っている金管楽器の発音の「tu」、実は「トゥ」ではなかった説

みなさんが楽器を吹くときの発音ってどんなふうに思って吹いていますか?

「タ」でしょうか?「トゥ」でしょうか?「ティ」でしょうか?

発音の種類にもいろいろありますよね。

 

金管楽器の教本の代名詞ともされる「アーバン金管教本」という教本があるのですが、そのなかでアーバンさん(フランス人:コルネット奏者)は発音に関してこのように記しています。(「アーバン金管教本」は金管楽器を勉強する人なら誰しもが持っている超有名教本です。)

 

「tu」という音節の発音が、音をしっかり出すために好都合である。(アーバン金管教本第1巻より引用)

 

このようにアーバンさんは「tu」という発音をおススメしています。教本の初めのほうには音符の頭に文字で「tu」って書いてありますしね。

 

そのためアーバン金管教本で育った日本の金管プレーヤーの多くは「トゥ」で発音している、と教わるが多いようです。ぼくもそうです。

 

でもこの「tu」の発音の仕方、調べてわかったのですが、日本語とフランス語では全然違うらしいのです。

私たちはアーバンさんがいう「tu」とは全然違うニュアンスの「tu」で練習していた可能性が浮上しました。

 

フランス人、全然「トゥ」っていてなかった問題

フランス人の「tu(あなたの~という意味)」の発音を調べたら、偶然にも「tu」の発音だけの動画を見つけました。(探してみるもんだ・・・笑)

 

 

 

 

全然「トゥ」って言ってないじゃん!!

 

 

そうなんです。

フランス語の「tu」の発音は全然「トゥ」って言ってないんですよね。

「テュ」とか「チュ」とか「ツュ」とか、これらが混ざったようにも聞こえます。(発音記号にすると「Ty」になるそうです。)

フランス語の発音は難しくてカタカナでは形容できませんが、「トゥ」でないことは確かです。

 

 

だとするとアーバンさんが求めている「tu」と日本人の「tu」とでは全然違う可能性が強くなってきました。

 

 

Twitterでつぶやいたら、思いのほか反響があった

 

Twitterでこんなことをつぶやいたところ、いろんな方から反応をいただきました。

 

 

楽器によってはできなかったりやりにくかったりするようです。

 

 

 

 



このほかにも、

「私の師匠(パリ国立音楽院卒)はタンギングを「チュ」で表現します!」(鍵アカより)

と返信してくれた方もいらっしゃいました。

このひと(ぼくの大学の後輩)は指導先の中学生に「タンギングは『チュ』だよ」って言ったら笑われたそうです。ドンマイ。笑

 

 

実は一言も「トゥ」なんて書いてなかった

黄色い表紙が特徴なアーバン金管教本の日本語訳を読み直していたら、発音に関する表記は全部アルファベットで「tu」と書いてあり、「トゥ」と表記している個所はありませんでした。

フランス語の発音はカタカナでは表記するのが難しいこと、フランス語と日本語の「tu」は違うってことを、編集のかたはわかっていたのかもしれません。

僕が勝手に「トゥ」だと思い込んでしまっていたようです。トホホ。

 

 

「トゥ」と「テュ」を両方試したら息の流れ方も出る音も全然ちがった

仮にいま、フランス語の「tu」を「テュ」だとします。

この「トゥ」と「テュ」の違いを早速楽器で試してみました。

 

 

「トゥ」と発音したとき

口の中は比較的広くなります。口の中の奥行きも広いので、出す息もスルスル出ていきます。音は少し暗めで落ち着いている、深みのある音がでました。

 

「テュ」で発音したとき

口の中は「トゥ」に比べて狭くなり、口の前のほうで発音している感じがします。そのため息の流れるスピードは速くなります。音は軽やかで、速いタンギングなどがしやすいような印象でした。

 

 

これはあくまで僕個人の印象なので、他の方が試してみたらどうなるのでしょう?試してみてこうだった、ていうのがあったらぜひ教えてください。

 

まとめ:どれが正しいとかじゃなくて、どれも使える

今回は日本人の「tu」とフランス人の「tu」は全然違うよ、という話でした。

これは「それじゃあ『トゥ』は間違ってるんだ!口の中広くして困っている人がいるのは『トゥ』の発音のせいだ!」っていうことではありません。

現に「トゥ」の発音でうまくいっている人も大勢いるわけですからね。

どっちが正しいとか、間違ってるとか、そういう話じゃないんです。

 

「トゥ」の発音にも特徴があって使える場面があって、それは「テュ」でも「チュ」でも「ツュ」でも「tu」でも同じことが言えるんです。

今まで「トゥ」一択だった人も「テュ」でも「チュ」でも「ツュ」でも「tu」でも発音できるって思えたら、表現の幅が広がりますよね。

 

ぼくもこのことに気づいたのが昨日なので、これからいろいろな発音を試していきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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