超一流ブラスプレーヤーの演奏から学んだ、音楽をするときに大切なこと
第一生命ホールで行われたフィルハーモニア・ブラス・アンサンブルの演奏会に行ってきました。
フィルハーモニア・ブラス・アンサンブル:イギリスの名門オーケストラの金管セクションを中心に結成された金管10重奏団。
プログラムは
G.ガブリエリの〈ピアノとフォルテのソナタ〉や
J.ケッツァーの〈ブラス・シンフォニー〉、
J.パーカーの〈ニューヨークのロンドン子〉、
C.ヘイゼルの〈3匹の猫〉
など、金管奏者にとっては激アツ中の激アツプログラムでした。
本当に学ぶことが多くて、チケット代金の10倍得した気分です。
金管楽器の演奏に遠慮なんていらない。どんな音も「攻め」の姿勢で吹く事の大切さを改めて感じた。
出てくるサウンドが本当に素晴らしくて。
教会にいるような暖かなハーモニーから、王宮で響くような煌びやかな音、語りかけるようなピアノ、そして〈ブラス・シンフォニ―〉では思わず「これだよこれ!これが金管の音だよ!」って言っちゃいそうになるくらいの圧倒的サウンドが会場を埋め尽くしました。
リハーサルの様子youtubeにアップされてました!
聞いてくださいこの音!かっこよすぎます。
10人が10人、どの奏者もしっかりと自分の音楽を主張していて、その10通りの主張が見事にブレンドし、一つの音楽が出来上がっていた印象を受けました。
フォルテであっても、ピアノであっても、アレグロでもアダージョでも、どんな音でも積極的に僕たちに伝わってくる。舞台上では「攻めの姿勢」であり続けること、とっても勉強になりました。
もしかしたら僕たちは自分で自分に制限をかけているのかもしれない。そしてその制限は自分自身で解除できる。
フィルハーモニア・ブラス・アンサンブルの圧倒的なサウンドを堪能した終演後の帰り道、こんなことを考えました。
(僕は今までどんだけ自分に制限をかけながら必死に吹いていたんだろう。)
「制限をかけながら・必死に」
「これ以上吹いたら音が平べったくなる」とか「きれいな音を保とう」とか「バテないように」とか自分自身言い聞かせながら、でももっと吹こうとしていた自分に気づきました。
今夜のフィルハーモニア・ブラス・アンサンブルに制限なんてなかった。音がかすれようがバテて上が外れようが、次の音を求めて、攻めていた。
あんなふうにはきっと吹けない。
でもあんなふうに吹こうとすることなら自分にもできる。
制御をかけていたのが自分なら、解除することだってできるはず。
解除方法は簡単、あんなふうに吹くぞと決めて、吹く。
上手く吹くとか、思い通りにとかじゃなく、決めたことをただ吹く。
それを自分に経験させてあげるだけできっと今までとは違う景色が見えるはず。
おわりに
今日は超一流のブラスセクションの音を聞けて耳も心も洗われた良い日でした。演奏会ってほんとうにためになりますね。(関連記事:演奏会に行くと勉強になると言われるのは何故か)
あんなふうに楽器が吹けたらどんなに楽しいだろう。
あんなふうな演奏ができたらどんなに素敵だろう。
そんな想いを抱かせてくれたことに感謝しつつ、これからも僕はトランペット頑張ります。