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吹奏楽部という「教育現場」について、僕はこう思う。

今や文化系の部活動の代表となりつつある吹奏楽部。

コンクールに向けた熱い練習や音楽を楽しむ活動は、今や漫画、アニメ、舞台、映画などの題材になるほど活気あるものになっています。

 

僕自身も中学3年間は吹奏楽部でした(高校の時は管弦楽部でした)ので、その楽しさや醍醐味などはどストライクで味わっています。

現在僕は吹奏楽部を指導する側となりました。

楽器のノウハウや奏法のお悩み解決、合奏指導が主な仕事内容ですが、そのほかに実はある想いを持ってこのお仕事に取り組んでいます。

それは、

音楽、吹奏楽が心の成長につながってほしい、

ということです。

 

大学で学んだ音楽教育が僕の部活動の見方を作った。

僕の出身大学は東京学芸大学といって音大ではありません。

僕は教育学部音楽専攻の出身です。

授業の中では教育法や教育実習の準備など、音楽教育についてたくさんのことを学びます。ほとんど寝てたり落書きしたり譜読みしたり練習したりしてましたが、大学の中では学校教育について考える時間は半強制的にとても多くありました。

 

いざ教育実習をするぞってなったときに僕は考えました。

 

「受験科目でもない音楽の授業ってどんな力を伸ばす時間にしたらいいんだ?ブラームスのこと知ったってみんなの何の役に立つんだろう?」

 

正直あんまないなって思いました。内容だけ教えるなら受験に必要な教科のほうがみんなやるだろうし。(高校は「自称」進学校だったので)

でも音楽は素晴らしいのは確か。

音楽の授業でもなにか生徒が持って帰れるものはないかと考えました。現在僕は先生にはなっていませんが脳みそは完全に学芸大使用、先生仕様です。

 

そのときにでたある種の答えが、吹奏楽部だとより顕著に表れるんじゃないかと思ったので、次にご紹介します。

 

吹奏楽部の活動ではこんなことをやってほしい

①自分をアピールする力、自己発信の力を磨いてほしい


音楽は当然のことながら、音を発することから始まります。

音を発するということは、他者に向けてその音を届けたり、または自分が出したい音を表現するために音を出すということです。

つまり、自分の思っていること、やりたいこと、楽譜に書いてある自分の役割を、自分の頭の中から外の世界へ発信するということです

 

自分の思っていることを相手にちゃんと伝えたり、ハッキリ言ったりすることは時として難しいことです。時には誰かを傷つけてしまうこともあるかもしれません。

でも、楽器を演奏することなら個人的な事情を抜きにすれば誰も傷つけることはありません。

自分の存在をアピールする、お客さんや部員の仲間たちなどの相手に自分の思っていること、感じている音を伝えるということは、吹奏楽部の活動(楽器演奏)で必要なことで、長い学校生活の中でゆっくりゆっくり身に着けていってほしい力だとぼくは考えています。

きっと自分の意見を言えたり、相手に物を伝えられたり、自分で考えて行動したりする力を育む良い機会になると思います。

 

②物事を協力して成し遂げる経験をしてほしい


大人数が本気になって一つのものを作り上げる体験というのは、学校では文化祭のクラス劇くらいであまり多くないような印象があります。

合唱コンクールや音楽の授業などもありますが、部活動との大きな違いは「やりたくない人も少なからずいる」という点でしょうか。

 

①でも書いたように、吹奏楽部の部員には自己実現の道具という意味での楽器のほかに、曲の中の要素の一つとしての役割を持つ楽器をまかされます。パートというやつです。

自分が集団(部活)の中で任された役割をはたし(自分のパートを吹き)、プロジェクトを成功させる(良い音楽を一緒に作り上げる)という経験は、なかなか出会えるものではないし、社会に出たときにとっても大切になってくるとぼくは思っています。

大人数で物事を成し遂げるためには、協調性が必要です。部活動(特に吹奏楽部は)その協調性を育む機会としてもとてもいいと考えています。

「協調性」という言葉の意味についてはまた後程詳しく。

 

 

「個人のアピール」と「協調性」は両立する

さっき書いた①と②は一見「個人のアピール」と「全体の協調性」という2つのことについてのようですが、実はこの2つは同時に伸ばしていくことができるのです。

部員一人ひとりが自分の役割、存在を周りに知らせる、アピールするように吹くと、みんながそれに気づきます。

同時に自分もみんなの存在に気づきます。

「あぁあいつあんなこと吹いてたんだ。俺と同じじゃん。次から意識して吹こう。」

「あれ?おれちょっと浮いてない?あ!メロディあっちか!メロディ引き立たせるように吹くようにしよう。」

「あ、メロディの雰囲気が変わったぞ。」

 

こんな部員同士の音による発信と受信が行われるのです。

まさにアンサンブルですね。

個を立たせることによって、協調しようと意識づけることができるのです。

 

部活動における協調性についてぼくはこう考える

協調性というと悪目立ちしない、邪魔しないような感じを思ってしまいますが、実は違って協調性っていうのは、それぞれの個性がお互い作用しあって物事をより良いものへと導いていくことなんじゃないかと思っています。

だとすれば、

部活の協調性は個々の発信(アピール)と、その受信(承認)から始まるんじゃないか

と思うのです。

だから僕は部活動ではこの2つを大事に育てていってほしいな、育てていきたいなと思うのです。

 

まとめ

顧問の先生でもないくせにこんなことを思うのはおこがましいような気もしますが、学校の吹奏楽部、広く言えば部活動って、その子の人生を豊かにするためにあると僕は思うのです。

現実はそんなに甘くないって言う人もいますでしょう。

でも吹奏楽部を3年間という短い時間でどれだけ難しい曲を吹けるようになるか、っていう曲芸仕込みの時間にはしてほしくないのです。

音楽もまた、人生を豊かにするためにあるのですから。

 

生徒たちがこのことを理解しなければいけない必要はありません。

ただ、生徒たちと長く接するであろう大人が、こんなことを大切にしながら生徒と部活ができたら、きっとその子たちは人として成長できるんじゃないかな、って思っているのです。

それが本当かどうかはわかりません。

わかる日は来ないかもしれません。間違っているかもしれません。

でも音楽と部活動の、教育の関わり方がこうであってほしいなと僕は思っています。

 

 

 

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