トランペットのみなさん、近すぎる譜面台で演奏するときに損をしているかもしれません。
2017/06/01
吹奏楽部の指導に行くと、いつも思うことがあります。
みんな譜面台近くない!?
150人部員がいてそれが全員音楽室で合奏するっていうのならまだ話は分かるんだけど、トランペットパートだけで練習をしているときにもすごい譜面台近くに設置して楽器吹いているのとてもよく見かけます。
見た目にも窮屈だし、なんとなく吹きづらそう。
これって結構深刻な問題で、譜面台を近くにセッティングしたばっかりに、それが演奏の邪魔をしていることが結構あるんです。
今日は「近くに譜面台を置くのをおすすめしない3つの理由」についてのお話。
①上体の傾きが呼吸の邪魔をしている場合がある
「え、譜面台の置く位置が呼吸に関係するの?」
トランペット・トロンボーンは構えたときに前方に向かっての距離が大きくなるのが特徴です。わかりやすく言うと構えたときに前に長いってことね。
ホルンやユーフォニアム・テューバはベルが後ろだったり上だったりなので、譜面台が近くにあっても構えるときに邪魔になる度合いは少ないのですが、トランペット・トロンボーンは違います。
たとえば、極端に譜面台を自分寄りに置いた場合、楽器を構えるときにベルが譜面台に当たらないように譜面台を避けて楽器を構えることになります。
その場合、楽器を譜面台にあたらないように構えるために、自分の上半身を後ろにそらす形で楽器を構えるケースが多いのです。
そうなってしまうと、本来息をパワフルに送るための胴回りの筋肉が姿勢を保つために使われてしまって、息が吐きにくくなる、吸いにくくなる、結果吹きにくくなる、という現象を引き起こすことになってしまいます。
僕が教えてきた吹奏楽部の多くがこの現象に陥っていました。
譜面台を楽器を構えるときにあたらない程度離したり、横にずらしたりするだけで腕の力を使ってサッと楽器が構えられるようになり、今まで姿勢維持のために使われていた筋肉が呼吸に参加してくれるようになって、吹きやすくなる場合が多くあります。
②音が譜面台にあたって飛ばない
トランペット・トロンボーンはベルが前向きについています。
以前音はベルだけから出ているわけじゃない(詳しくはこちら)という事実についてブログに書きましたが、それにしてもベルの役割は大きいです。
確かに譜面台にちょっとあてて吹くと合奏の中でも自分の音を探しやすくて吹きやすいのもあります。僕もそれ結構くせになります。
でも、音楽を聞かせるのは自分ではなくて一緒に演奏している人やお客さんなので、そっちに良く聞こえるほうが結果として良いのではないかなと思います。
③視野が狭くなって身体に力が・・・!?
譜面台が近くにありすぎると、視野が狭くなって目には譜面台においてる楽譜とつけっぱなしのチューナーと必要最小限の指揮者しか目に入ってきません。
ですが視野が狭くなると、身体が縮こまってしまう原因につながります。
今スマホに集中しているそこのあなた、今の自分の姿勢はどうですか?無意識に首とか腹筋とかに力が入っていませんか?
そのような現象が、楽器を吹くときにも起こってしまうかもしれません。
譜面が見える程度の距離に譜面台をおいて、一緒に演奏しているメンバーや演奏空間が視界に何となく入ってくる状況で楽器を吹くと、いつもと違ってフッと力が抜けるかもしれません。
まとめ
今回はぼくが吹奏楽団を指導してきた経験から見た、譜面台の置く位置について話をしてきました。
あくまでも今回ご紹介した例は「絶対」ではありません。
視力の都合や、他の人との距離などたくさん考える要素があると思います。
この記事をきっかけに自分が一番楽器を吹きやすい譜面台の置く位置を考えるきっかけになってくれたらうれしいです。