演奏に困ったとき

「耳をつかう」ってどういこと?

以前ホルン界の大御所の先生から「音程は音色だよ」と言われたことがあります。

 

大抵の場合音程は高いか低いか真ん中かの三択になってしまいます。(これは電子チューナーの矢印が基準になっている場合です。)

 

そうすると「何セント高い、低い」という「正・誤」の判断基準になってしまうこともあります。

そうすると「正しくないものはダメ」という考えにも行きがちです。

チューナー絶対主義も少なからず見かけますが、これに由来するところが多いでしょう。(音程の違いが判らない、そういうことに耳を向けたことがない初心者には有効かもしれません。)

 

 

今回ご紹介する「音程は音色である」という考え方は「正誤」の判断基準とは違った観点で音程を捉えられます。

そして「耳をつかう」ということとはどういうことなのかにも触れていきます。

 

音程は正しい正しくないだけではなく「その場にふさわしいかどうか」が大切

たとえば長三和音(ドミソ)で第三音(ミ)を吹くときに一般的には低めに取りましょうと言われます。

 

その時にどのくらい低くとりますか?

何セント低くとりますか?

それをチューナーなしで吹けますか?

 

音程を絶対的な数値にして「正誤」の判断でジャッジする場合は上記のような点を考える必要があります。

 

ですがこんな捉え方はどうでしょう。

 

「和音を落ち着かせるやわらかい音で吹いてみよう」

 

音程、高い低いというワードは一個も使っていません

 

 

また例えば音程がぶら下がっている人に

 

「音程低いんだけど高くして」

 

というアドバイスもあれば

 

「音程低いんだけどもっと明るい音で吹いて」

 

というアドバイスもあります。

 

先ほども言いましたが数値化された音程を基準にすると「正誤」になってしまう可能性もありますが、

音程を「落ち着く音」「やわらかい音」「明るい音」のように音色の観点から考えると、

その時の場面、自分の役割にふさわしいかどうか

の基準で考えることができるようになります。

 

「もっときれいに聞こえる音色があるんじゃないか?」

「もっとかっこよくするにはどんな音色で吹いたらいいんだろう?」

「そのサポートをする私はどんな音をだしたらいいかな?」

 

 

よく「もっと耳を使って演奏しましょう」という言葉を聞きますが、それは音程だけの話をしているのではなく、場面やその時々の状況を察知しながら吹きましょうと言っているのです。

本当に耳を使われるのはここからです。

 

 

まとめ

一個の正解を指定して「はいこの通りにやってね、この音程にしてね」というのはラクです。

指導する側も「はい音程高いよチューナーで合わせといてね」って言えば良いからラクですし、やる側も「その音程で吹けばいい」という考えになってしまいます。

しかも目的が与えられているのでやってる「感」もありますし。

 

でも音楽をやっていく上では「1つの正解を吹く」ということより「周りの流れをよく聞き予測し、その場に応じた反応をする」ということのほうが必要だとぼくは考えます。

だって毎回の演奏は違っていいんですから。

 

何事においても思考停止にならず、つねにその場に応じて考えながら行動・演奏できるようになるといいですね。

 

 

 

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