演奏に困ったとき

響く音を出すためのヒント①②

2016/10/01

先日生徒に聞かれました。

「どうやったら響く音って出ますか?」

 

ホールの3階席までしっかり届く音

ホールに充満したハーモニー

 

カッコいいですよね。

僕も演奏会に足を運んでオーケストラの演奏を聴くたびに

「あぁ金管楽器って素晴らしいな・・・」

って思います。

 

 

さぁそんな憧れる「響く音」はどうやったら出るのでしょう?

今回はその足掛かりとなるヒントを事実に基づいて説明したいと思います。

 

響く音のヒントとしてまず響き方の誤解を無くしましょう。

 

 

「ベルから音を前に出せ!」は力みを生む

トランペットはベルが前に向いているうえに

指揮者やお客さんはその先にいるので

 

「もっと前に音を飛ばせ!」

とか

「ベルからまっすぐだすんだよ」

と言われることがあります。

イメージとしてはベルから前に向かって音が出ていく感じでしょうか。

 

ですがこのイメージで

 

力んでしまって音が出ない

平べったくてきつい音になってしまう

 

というのを良く聞きます。

 

それもそのはず、そのイメージに事実とのずれがあるのです。

 

 

 

響く音のヒントその①: 音は全方向に響く

科学的な現象として音(振動)は振動しているものから球状に広がっていきます。

 

ということはトランペットの音もベルからだけではなく

 

上にも、下にも、右にも、左にも、前にも、後ろにも、斜めにも

 

全部の方向に反響しているのです。

 

吹いているときって結構「上」とか「斜め上」を意識してないことが多いですよね。

 

でも本番をやるホールの天井は高いですよ

 

「響く音」を意識するときに、

頭上にある広大な空間にも音は響いているんだ

って知っているだけでかなり音の出方が変わってきますよ。

 

※もちろん楽器の構造上ベルの向いている方向に音が向かっていきやすいことは重々承知の上です。

ですがその指示が独り歩きして「音は前に出すのが正しい!」となってしまうのは良くないことです。

 

 

響く音のヒントその②: 自分の音で空間を共鳴させる

音に関する事実その2です。

音は空気の振動で生まれます。

 

ということは音を遠くに響かせることは

自分の音で空間を振動させる

ことであるともいえます。

 

お客さんの頭の上にある空気を振動させるぞ

私のシンバルがホールの空気を振動させるんだ

 

そんな思いで楽器を鳴らしたらどうなるでしょう?

音楽室でも、練習室でも、体育館でも、ホールでも、

楽器を吹くシーンいつでも実験できますよ。

 

 

 

 

 

ほら、この空間を響かせる意識、気づけば

譜面台やチューナーに向かって縮こまって吹くような吹き方防止にもなっていますね。

 

 

①②を合奏で使ってみよう!

普段の練習でヒント①②を試してみましょう。

 

たとえば合奏をやる音楽室、合わせをやる練習室

 

部屋の大きさはどれくらい?

この部屋の空気を自分の音で共鳴させたらどんな音が出るだろう

音は全方向に響くから部屋全体が響くことを思って吹いてみるぞ

 

これらのことを考えながら練習してみましょう。

自分だけでなく周りの空間を意識できるようになる練習にもなります。

 

注意


この練習は練習室、音楽室を響かせる練習ではありません。

そのとき音楽をする空間に音が響くことを知るための練習です。

それがわかっていないと本番会場などに行ったときに

「あれいつもと違う・・・焦」

となってしまいます。

適応力、応用力を育てるための練習と言ってもいいかもしれません。

 

 

番外編:演奏が練習室サイズになってしまう原因

響く音に関連してこんなこともご紹介。

 

舞台に立って音楽をするときに

「その空間で」が抜けてしまっていて、練習室サイズの演奏になってしまっているのを見かけることがあります。

 

この曲を この共演者と 今日のお客さんと このホールで 楽しむ」

 

これとても大事です。

この場合は空間でしたが、どれか一つでもおろそかにしないように心掛けたいですね。

 

 

ヒント①②のまとめ

ヒント①②のまとめとして

 

音は全方向に反響する

音は空間が振動していくことによって響く

 

ということぜひ覚えていてください。

私の音は響かない、と悲しんでいるあなた。

大丈夫ですよ。

無理に鳴らさなくたってみんなの音はきっと響きます。

 

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