アレクサンダー・テクニーク

舞台に立つ人みんなに知ってほしい、新しい表現の要点

キャシー・マデン先生のレッスンで一番印象に残ったこと。
それは「表現」に対するレクチャー。
演劇に特化したキャシー先生ならではの目からうろこのアプローチです。

 

音楽に情景や感情を乗せることは非常に大切なことです。

ですが「(例えば)悲しみを歌に乗せるって結局どういうことなの・・・?」とよく思ったこともあるはずです。

 

そこでキャシー先生の言葉をご紹介します。

 

「感覚や感情は結果として起こるのよ」

このことをわかりやすく言うと、

「〇〇ということがあったから悲しい」のであって、その演技(もしくは演奏)をするとき「悲しい気持ち」をスタート地点にすると感情発生の原理に逆らう形になり、表現として積極性や説得力に欠けてしまいます。
表現をする時に陥りやすいトラップです。

 

たとえば歌を歌うとき「彼を亡くした心情を歌う曲」があるとします。
一般的に言えば「悲しい曲」ですね。

 

それを「悲しい気持ちで歌うぞ」「悲しみを表現するぞ」と思ってしまいますがそうすると上記のパターンと同じになってしまいます。

 

キャシー先生は演じるときに感情ではなく「積極的な動詞」を用います。

 

 

彼を亡くして悲しい

もっと一緒にいたかった

一緒にいられたらこんなことがしたい
(それはどんなことで思い出した?彼との写真はどこにある?などなど)

 
このように感情のもとを具体的にして、それが生み出される動き(積極的な動詞)を導き出します。

 

表現の基準を感情ではなく動詞に置き換えることで、行動の明確化が図られます。その結果、なすべきことが定まり、

表現に積極性が生まれるのです。

 

もし表現することが情景や雰囲気であるなら

その情景に私が観客を連れていく

という動詞を用いるのもとても有効です。
(連れて行き方やどんな場所に連れて行くかをより明確に、詳細に決めると効果がさらに大きくなります。)

器楽の場合はこの動詞を用いることが多いかもしれません。
これがキャシー先生の表現のレクチャーの内容です。

 

レクチャーを通して思った「音楽をする」とは

このレクチャーを通して

音楽とは

アナリーゼで得た知識、自分がその曲に持つイメージから積極的動詞を導き出し、今持っている技術で音を創りだし、その音を持ってそれを表現すること

なのかもしれないと思いました。

-アレクサンダー・テクニーク